ゲームマーケット2025春の感想

2025-05-24 22:00 · 6093 words · 13 minute read ゲームマーケット

ゲームマーケット2025春に参加してきました。
5月17日(土)はお客さんとして、5月18日(日)は出展者として参加してきたので、いろいろ感想など書いていこうと思います。

まずは総評

ゲームマーケットは大きく多様的で多層的で素晴らしい。
色々な人が色々な思惑で出展している。自分のように10人に対してゲームルールを無料配布している人もいる。
いろんな人がいろんなことができるのがよい環境だと思います。

今回出展した新作の自作ゲームの紹介

なにはともあれ、自作ゲームの紹介から。

アイデンティティ崩し

「ゲームの本質を探るメタゲーム。棒倒しのように要素を取り除き、どこまで取り除けるか挑戦」
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あなたには勝者としての品格が⽋けている

「既存のゲームに「変なマナー」を追加して遊ぶメタゲーム。勝つことよりも、どのように勝つかが 問われる!プレイヤー同⼠で変なマナーを押し付け合い、勝者の品格を評価します」
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ゲームマーケットの基礎知識

ゲームマーケットは、ボードゲームやカードゲームなどのアナログゲームの即売会です。
主に個人や小規模なサークルが自作のゲームを発表・販売する場として、年に2回(春と秋)開催されています。
2025年春のゲームマーケットは、5月17日(土)と18日(日)の2日間、千葉県の幕張メッセ国際展示場で開催されました。
会場は広大で、商業サークルから個人サークルまで、様々な規模の出展者が参加しています。
ゲームマーケットの特徴は、その多様性にあります。プロのゲームデザイナーから、趣味でゲームを作っている人まで、様々な立場の人が集まり、新しいゲームのアイデアや作品を発表する場となっています。
ちなみに来場者数は土曜日が15000人、日曜日が12000人でした。

土日の違い

土曜日と日曜日の2日開催になってしばらく経ちますが、 年々と土曜日と日曜日のそれぞれの特色が強くなった気がします。
特に今回は日曜日が値下がり1したのも影響が大きかったのではないかと思います。

土曜ガンガン、日曜まったり2
日曜は宣伝とかまでちょっと手が回らないけど、思いついたゲームを出したいサークルが多くなるとそれはそれでいい感じになると思います。日曜は特に全周りがおすすめになるかも。

毎回、ゲームマーケット前にたくさんのサークルの作品紹介を行っている、きたこしさんのポスト。
きたこしさんに作品紹介をお願いしたサークルの出展日の割合とのこと。興味深いですね。

ただ、自分の好み的にマッチするのはやはり日曜サークル組なので、自分が出展するのではなく、本当はゆっくり日曜日を回りたいです。
日曜出展者のジレンマ。

お客さんとしての参加スタンス

毎回ほぼほぼゲームマーケットに行くときは、事前情報をまったく調べずに当日ふらっと行って、なるべく全サークルを見て、直感的に気になったものがあれば聞いて買うというのがいつもです。
なぜこのようなスタンスになったかというと、事前に人気になっているゲームは予約をしないと手に入らないし、事前にまだ話題になっていないゲームはやっぱり事前情報がないので、事前に調べる必要がだんだんなくなってきたなという感じです。

5月17日(土) 一般参加

5月17日(土)は、早期入場ではなく、通常入場で12時ちょうどくらいに着いて入場列に並びました。
どれくらい並んだか覚えていませんが、駅前で配っていたモンスターを飲んで先にトイレに行けばよかったと若干後悔しつつも、なんとか持ちこたえたくらいで入場できました。
天気予報ではかなりの雨になる予報でしたが、12時くらいの幕張はそんなに雨は強くなくよかったです。

入場したらとりあえず商業サークルを一巡し、続いては一般サークルをなるべく全部見れるように練り歩きます。今回から?通路に番号を書いた案内板が出ていたので結構助かりました。
かなりサークル数も多く会場もかなり広いので、一周するだけでもかなり時間もかかるし、なにより会場内が暑い!

一周だけでは見逃しているものもあるのでもう一周。事前に調べないとはいいつつもXなどで知った気になったゲームはあるので、それだけはメモしていたけど、それも見逃している模様。
毎回毎回の課題なんだけど、いかに漏れなく全サークルを見るかが難しい。ふと通路でどこから来たかわからなくなり、なるべく一筆書きで会場を歩きたいんだけどいつも失敗します。なにかいい方法あるかな?

毎回なにかしらのセレンディピティが起こるといわれている3ゲームマーケット。
今回は前述した自作ゲーム4のコンセプトと同じようなコンセプトのゲームがあると気づいてそれがお目当て。

のんびり見ていてそのサークルにたどり着いたときには、異変ボドゲは売り切れ……と思ったら出展者さんのご厚意でサンプル品を売っていただけました!ありがたい!
新作ではないのですが、商店街ブラックジャックも購入。
デイリーポータルZの記事でこのゲームのことを知っていたのですが、買ってはなかったのでいっしょに購入。

よくよく考えたらこのゲームも前回の自作ゲーム5とたまたま同じコンセプト。
同じコンセプトでもアプローチが違うと全然違うゲームになるのが面白いですよね。

明日出展者で出るのにまだ準備が終わってないので、早々に切り上げ帰りました。幕張は遠いですね。

出展者としてのスタンス

初出展は2017年春から(たぶん)。出たり出なかったりで5回くらい?出ています。
基本的に販売はなし。ゲームのルールを印刷したコピー用紙を無料で配布しています。
ゲームのルールは(なるべく)自サイト上でも公開しています。
作ったゲームは、ワードゲーム、ゲームポエム、メタゲームなど。
だいたい日曜に出展しています。(安いので)
事前宣伝はほとんどしませんし、ゲームマーケット公式ブログも最低限だけ書くだけですし、事前試遊会にも参加したことないです。

5月18日(日) 出展側

日曜は雨降らず。助かりました。
土曜と違って11時会場なので、10時50分までに準備ができていればいいのですが、ちょっと気が早って10時くらいに会場に着きました。自分のサークルは販売なしのコピー用紙配布なので、準備はそんなにかかりません。

今回、ゲームマーケットの下準備として、自サイトに印刷機能を追加しました。
元々ブラウザには印刷機能はあるのですが、それをそのまま使用すると印刷用になっていないウェブ画面全体が印刷されてしまうので、ルール印刷に適していません。
そこで今回は専用の印刷ボタンを追加して、そこから印刷したらゲームルールのウェブ記事を印刷用の情報を追加しつつ、自動的に(そこそこ)いい感じに体裁を整えてくれるようにしました。
なので、今まで印刷用PDFにしていないゲームは配布していなかったのですが、この印刷機能を追加したことで今まで印刷して配布してなかったゲームも配布できるようになったので、嬉しくなって色々過去作を印刷して配布していました。

今回のサークル配置は今までとちょっと違いました。
サークル出展するときにジャンルを選ぶのですが、いつも自分のサークルは悩みつつもETC(その他)にすることが多いです。
ETCは書籍やグッズ系のサークルさんが多数を占めるので、だいたい両隣はグッズ系のサークルさんであることが多かったです。
しかし今回はETCとして出展しましたが、両隣はBG(ボードゲーム)のサークルさん。島もジャンルBGでした。
グッズ系の島はまた別の島でした。ETCで出したけどお前のところのサークルはBGだろ、となったのかもしれません。
周りの雰囲気も少しいつもと違うような感じ。

先に結果を報告すると、だいたいいつも10人くらいのお客さんに配布できるのですが、今回も10人の方に配布できました。
不思議なことに今回もだいたいきっかり30分間隔でお客さんが来てくれました。6

11時台
11時に会場しますが、午前中はだいたい暇です。お客さんたちは最初目当てのサークルに行くため、最初から自分のブースにお客さんが来ることはないです。

もしかしたら意外と思われるかもしれませんが、毎回毎回誰にも配布できなかったらどうしようと不安が押し寄せます。
ですが、今回はお隣のブースに来た外国人団体の方のおひとりが自分のブースにたまたまはみ出たので、自分のサークルの作品を見つけてくれました。

配布しているルールには自サイトに飛ぶようにQRコードを付けていますので、日本語でしか書いていないルールですが、QRコードからルールを読んでくれました。

そこで気づきましたがサイトでルールは公開しているので、ブラウザの機能で翻訳すれば日本語話者以外の方も読んでくれるし、今回の印刷機能で翻訳した言語でもいい感じに印刷できるようになっているのはいい副作用でした。

12時30分くらい
この時間になると出展者の方が買い物に出ていく時間帯です。急ぎ足で買い回っている姿をよく見かけます。

13時台から15時台
このくらいの時間から全サークルを見て回っているだろうと思われるお客さんが増えていくように感じます。
自分のサークルの前にも足を止めてくれる方もぽつぽつと。

自分の配布物は全部無料なのですが、無料なので配布しているもの全部くださいという方が多かったです。
これは完全に失念していて、全部渡す用セットを作っていなかったです。そこは今後改善したいです。

アイデンティティ崩しは、どちらかといえばゲーム制作者やゲーム批評家向けなのでそんなに数は出ないだろうと思って、5部くらいしか刷っていなかったので、意外と配布切れしてしまいました。最低10部はあった方がいいかも。

このように全部無料で配布しているので、無料と伝えたとき「酔狂だね(笑)」と言われるのですが、実際このような配布しているサークルは少ないので、実際酔狂なのかもしれません(笑)。
出展料を払って印刷代も負担してクリアファイルに挟んで出しているので、赤字しかないサークルです(笑)。
しかもサイトでほとんど公開しているのでゲームマーケットに来なくても手に入ります。
でも、これにはわけがあるというか自分の考えがあるためこのような形式になっています。このことはいつか記事にまとめたいですね。

15時くらい
妻が手助けにきてくれたので、この間にトイレと買い物をささっと済まします。

15時30分くらい
このくらいの時間になってくると、印刷所がサークルさんたちに営業回りをしはじめます。

16時台
だんだんと撤収されるサークルさんもちらほら。
出展者さんたちも帰り際の最後の買い物をしていました。

17時終了
いつも迷うんですが、17時になってから片づければ全然間に合うのですが、なんとなく16時50分くらいに片づけ始めてしまいます。雰囲気に呑まれるな!自分!!

自分のサークルの生存戦略

自分は無料ゲームを少数配布しているので、出費としては絶対に赤字になるのですが、すごい赤字にならないので、長く続けられます。

長く続けて出展しつづけることが、自分にできる宣伝かなと思います。出展すること自体が宣伝というか。

同じ作品をずっと出し続けてもいいわけですし、実際、最初に出した目7は毎回出して好感触です。(今回はじつはそうでもなかったですが)

毎回毎回作品を出していってるので、毎回毎回だんだんと出品するものが増えてきて賑やかになりました。
ですが、増えすぎたので次からはある程度持って行くものは絞って、持って行かなかったものはサイトにあるので、全作品お品書きを作って配布しようかなと思います。

反省点

自分のモチベーション的に事前宣伝を頑張るとかそうことはしなくていいやと思っているし、それでいいと思っていますが、
自分のサークル前に出すお品書きの紙が小さすぎました。もっとでかくていいし、もっとわかりやすい情報にすればよかった。

自分のゲームはルールだけ文字だけなので、ただでさえわけわからんので、どういうシチュエーションで遊ぶものかをわかりやすくした方がよかったです。 特に勝者8はわいわいみんなで遊ぶパーティーゲームなので、そういうことは伝わるようにすればいいと思いました。

あとは、自分のサークルにも後ろに立てる看板を買おうかと思います。
毎回出展しながら足りない什器を追加していくのも面白いですね。

サークル布は作ってよかったですし、サークル番号がわかるようにしているこだわりがあります。

あと自分の今回出したゲームを四象限にした表も用意しました。
まあでもこれは理解に役立っているかと言われたら正直役に立ってないと思いますが、今回の自分のテーマ、「ゲームかゲームライクか。クローズドかメタか」を表したかったのでやってよかったです。カタログ原稿出したときから四象限表を書こうと思っていました。

追記

ビビッとゲムマで弊サークルを紹介していただけだようです9。ありがとうございます!

ビビッとゲムマのようなスタンスで参加している方に弊サークルは支えられています。感謝。


  1. 日曜日の半卓A1プランのみ1割引きで9900円になりました。 ↩︎

  2. 土曜日は10時開場、日曜日は11時開場だったこと影響あるのかな ↩︎

  3. 言っているのは主に自分ですが。前回はカタログを使ったゲームがセレンディピティでした。 ↩︎

  4. あなたには勝者としての品格が⽋けている、のこと。ルールページへ ↩︎

  5. アロエとシーサー、のこと。ルールページへ ↩︎

  6. 30分間隔になるのってたまたまなんでしょうかね?それとも確率的にそうなりやすい要因でもあるのかな?会場の広さとか?知らんけど。 ↩︎

  7. 目に視えるものだけが世界のすべて、のこと。ルールページへ ↩︎

  8. あなたには勝者としての品格が⽋けている、のこと。ルールページへ ↩︎

  9. 57分頃に紹介がありました。 ↩︎

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