アイデンティティ崩し

2025-05-11 17:20 · 3422 words · 7 minute read メタゲーム 対話ゲーム 教育ゲーム

コンセプト

ゲームのアイデンティティを探り、共有するメタゲーム。プレイヤーそれぞれが持つ「このゲームをこのゲームたらしめている要素」を出し合い、話し合いを通じてより深い理解を得ることを目指します。

アイデンティティについて

このゲームでは、「アイデンティティ」とは「このゲームをこのゲームたらしめている要素」を指します。例えば、将棋というゲームであれば、「駒を交互に動かす」「相手の王将を詰める」といった要素が、そのゲームのアイデンティティとなります。

メタゲームについて

メタゲームとは、既存のゲームの上に新しい遊びのレイヤーを追加するゲームのことです。このゲームでは、プレイしたことのあるゲームについて、「そのゲームのアイデンティティを探り、共有する」という新しい視点で遊びます。例えば、将棋をプレイした経験を元に「将棋のアイデンティティは何だろう?」と考えるような、ゲームについてのゲームです。

ゲームの概要

このゲームは、特定のゲームのアイデンティティを探り、共有するためのメタゲームです。プレイヤーは各自が考える「そのゲームのアイデンティティ」をカードに書き、それを出し合います。その後、より重要でないと思うカードを取り除いていきます。この過程で、プレイヤーの過半数が「そのゲームのアイデンティティが失われてしまった」と判断した時点でゲームオーバーとなります。

ジャンル

メタゲーム / 対話ゲーム / 教育ゲーム

このゲームは以下の特徴を持ちます:
  • メタゲーム:既存のゲームのアイデンティティを探り、共有する
  • 対話ゲーム:プレイヤー間の話し合いを通じて、より深い理解を得る
  • 教育ゲーム:ゲームのアイデンティティについての理解を深める

ゲームの基本的な流れ

  1. 対象となるゲームを選ぶ
  2. 各自が考える「ゲームのアイデンティティ」をカードに書く
  3. カードを出し合い、より重要でないと思うカードを取り除く
  4. プレイヤーの過半数が「そのゲームのアイデンティティが失われてしまった」と判断した時点でゲームオーバー

目的

対象となるゲームのアイデンティティを探り、共有することを通じて、より深い理解を得ることを目指します。

プレイヤー人数

3-6人推奨

用意するもの

対象となるゲーム

  • 参加者全員がプレイしたことがあるゲームを選ぶ
  • ボードゲーム、カードゲーム、ビデオゲームなど、ジャンルは問わない

  • 参加者1人につき3枚の紙を用意する
  • 名刺サイズ(約91mm × 55mm)程度の大きさが適している
  • この紙にゲームのアイデンティティを書いたものが「アイデンティティカード」となる
  • アイデンティティカードは、ゲーム中にテーブルに並べて共有する
  • アイデンティティカードは、ゲームの進行に応じて取り除かれていく

ブレインストーミング用の共有ツール(任意)

  • 大きな紙(A1サイズ程度)またはホワイトボード
  • 付箋(複数色があると分類しやすい)
  • マーカー(複数色)

※ 共有ツールがあると、全員のアイデアを視覚的に共有でき、より効果的なブレインストーミングが可能になります。付箋を使うことで、アイデアの分類や整理も容易になります。ただし、必須ではありません。

ペン

  • 参加者人数分

準備

  1. 対象となるゲームを選ぶ
  2. 参加者全員に、紙とペンを配る
  3. このゲームの目的を全員で共有する

ルール

1. アイデンティティカードの作成

  • まず、全員で対象ゲームの重要な要素を簡単にアイデア出しをする
    • 制限時間を設け(例:5-10分)、思いつく要素を自由に挙げていく
    • 具体的な要素でも抽象的な要素でも構わない
    • 他の人の意見を聞いて、新しい要素を思いついたら追加していく
    • 共有ツールがある場合は、付箋に要素を書き、大きな紙やホワイトボードに貼り付けていく
    • 共有ツールがある場合は、似た要素は近くに配置し、関連性を視覚的に表現する
    • 共有ツールがある場合は、必要に応じて、要素を分類したり、関連性を線で結んだりする
  • アイデア出しで出た要素の中から、各自が重要だと思う要素を選んでアイデンティティカードを作成する
    • 自分が「このゲームをこのゲームたらしめている」と考える要素を、重要度の高い順に3つ選ぶ
    • この選択は秘密に行い、他のプレイヤーの影響を受けないようにする
    • 選んだ要素を紙に書き、その理由も簡単にメモしておく(これがアイデンティティカードとなる)
    • 全員が選び終わったら、順番に選んだ要素とその理由を説明する
    • 同じ要素を複数のプレイヤーが選んでも構わない
    • むしろ、複数のプレイヤーが同じ要素を選ぶことは、その要素が重要だという証拠となる
  • カードの総数は、参加人数×3枚程度を目安とする

2. カードの確認

  • 全員のアイデンティティカードをテーブルに並べ、内容を確認する
  • 不明な点があれば、その時点で質問や意見を述べることができる

3. スタートプレイヤーの決定

  • 適当な方法(例:サイコロを振る、じゃんけんなど)でスタートプレイヤーを決める
  • スタートプレイヤーから時計回りに順番が回っていく

4. カードの除去

  • スタートプレイヤーから順番に、より重要でないと思うカードを1枚ずつ取り除いていく
  • 取り除く際は、できれば簡単に理由を述べる
  • 全員が1回ずつカードを除去したら、次のラウンドに移る
  • 各ラウンドで1人1枚ずつカードを除去していく

5. ゲームオーバー

  • カードが除去されるたびに、以下の手順で判定を行う:
    1. カードを除去したプレイヤー以外は、そのカードに書かれた要素がそのゲームのアイデンティティとして重要かどうかを考える
    2. まだ「ゲームのアイデンティティが失われた」と判断していないプレイヤーは、考えがまとまったら手をあげて待つ
    3. 全員が手をあげたら合図で、一斉に手を下す
      • そのカードがなくなったらそのゲームのアイデンティティが失われると思ったプレイヤーは、手をおろした後、親指を立ててそれ以外の指を握る(「ゲームのアイデンティティが失われた」を示すポーズ)
      • そのカードがなくなってもそのゲームのアイデンティティは保たれると思ったプレイヤーは、手をおろした後、そのまま待つ
    4. 一度「ゲームのアイデンティティが失われた」と判断したプレイヤーは、以降の判定でも同じポーズを維持する
    5. 「ゲームのアイデンティティが失われた」と判断したプレイヤーの人数が過半数を超えていたらゲームオーバー
  • ゲームオーバーとなった時点で、残っているカードの内容を確認する
  • 全員で、なぜそのカードが残ったのか、なぜそのカードが重要だと思うのかを議論する

ヒント

  • カードを書くときは、ゲームの具体的な要素に焦点を当てましょう:
    • ゲームのルール(例:「駒を交互に動かす」「カードを引く」)
    • プレイヤーの行動(例:「サイコロを振る」「相手の駒を取る」)
    • ゲームの進行方法(例:「順番に手番が回る」「特定の条件で勝利」)
  • カードを除去する際は、簡単でいいので必ず理由を述べ、話し合いを促す
  • ゲームオーバーとなった時点で、残っているカードの内容を確認し、全員で議論する

FAQ

カードの内容は具体的にどのようなものですか?

カードには、ゲームの具体的な要素を書きましょう。例えば:

  • ゲームのルール:
    • 「駒を交互に動かす」(将棋の場合)
    • 「カードを引く」(トランプの場合)
    • 「サイコロを振る」(すごろくの場合)
  • プレイヤーの行動:
    • 「相手の駒を取る」(将棋の場合)
    • 「カードを捨てる」(トランプの場合)
    • 「マスを進む」(すごろくの場合)
  • ゲームの進行方法:
    • 「順番に手番が回る」
    • 「特定の条件で勝利する」
    • 「特定の条件で敗北する」

※ 抽象的な要素(例:「戦略性」「運の要素」など)は、具体的な要素の組み合わせとして説明できることが多いため、このゲームでは具体的な要素に焦点を当てます。

カードを除去する際の基準は何ですか?

より重要でないと思うカードを取り除きます。例えば:

  • その要素がなくなっても、ゲームの基本的な楽しさは変わらないと思う場合
  • その要素は他の要素の一部として含まれている場合
  • その要素は必須ではないと考える場合

ただし、簡単でいいので必ず理由を述べ、話し合いを促してください。他のプレイヤーの意見を聞くことで、新しい発見があるかもしれません。

ゲームオーバーとなった時点で、残っているカードの内容を確認するのはなぜですか?

残っているカードの内容を確認し、全員で議論することで、より深い理解を得ることができます。例えば:

  • なぜその要素が重要だと考えられたのか
  • その要素がゲームにどのような影響を与えているのか
  • 他のプレイヤーはその要素をどのように捉えているのか

気が向いたら!

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