ゲームマーケット2026春 出展レポート

2026-05-29 00:00 · 2802 words · 6 minute read ゲームマーケット

ゲームマーケット2026春に出展してきました。
今回は初チャレンジとして、出展作を「Webアプリ」として配布してみました。
やってみて気づいたことが色々あったので、その記録を残しておきます。
結論から言うと、Webアプリでの配布には課題が残りました。

ゲームマーケットとは

ゲームマーケットは、ボードゲームやカードゲームなどのアナログゲームの即売会です。
主に個人や小規模なサークルが自作のゲームを発表・販売する場として、年に2回(春と秋)開催されています。
プロのゲームデザイナーから趣味で作っている人まで、様々な立場の人が集まる多様な場です。

今回のゲームマーケット2026春は、幕張メッセで5月23日(土)・24日(日)の2日間にわたって開催されました。
来場者数は以下の通りでした。

開催日 来場者数
5月23日(土) 18,000名
5月24日(日) 14,000名
両日合計 32,000名

ここ最近はずっと増え続けていますね。

弊サークルの特徴

弊サークルのモットーは、自作のゲームはすべて無料で公開することです。
基本的に販売はせず、ゲームのルールを配布し、ルールは(なるべく)自サイト上でも公開しています。
出展料を払い、印刷代を負担して配っているので、収支でいえば必ず赤字になるサークルです。
ですが、すごい赤字にはならないようにしているので、細く長く続けられています。

このモットーのせいで、ちょっと不思議な状況が生まれています。
弊サークルのことを知っている人は、サイトで全部見られるので会場に来る理由がなく、知らない人はそもそも弊サークルに辿りつけない。
そう考えると、ゲームマーケットで出展する意味は、(1)通りすがりの人の目に留まること、(2)知人に会って話すこと、の2つに絞られてきます。

——そして弊サークルはもともと「モノ」を売るのではなく「ルール(情報)」を配ってきたわけですが、今回はそれをさらに突き詰めた結果、思わぬ壁にぶつかりました。

今回の出展:NINE CARD SORT をWebアプリで配布

今回出展したのは NINE CARD SORT というゲームです。
9枚のカードだけを使う一人用のパズルゲームで、もともとは紙で作りました。

今年の初チャレンジは、これを紙ではなくWebアプリとして配布することでした。
Webアプリにすると、紙では大変なカード枚数の多いゲームも作れるし、なにより安く配布できるのが大きなメリットです。

ゲームマーケットより前にWebアプリをリリースし、事前に周知もしました。
なので当日は配布物(物体)は一切なく、WebアプリのQRコードを載せた名刺だけを配布するスタイルでした。

当日、ブースに来てくれた方々

誰がいつ来てくれたかをざっくりメモしていたので、時間帯ごとにまとめてみます。

時間帯 来てくれた数
11時台 2組
12時台 5組
13時台 4組
14時台 2組
合計 13組

午前中は静かで、お昼を回ったあたりからぽつぽつと増えていきました。会場をひと通り見て回った方が午後に立ち寄ってくれる、というのはいつも通りの流れですね。

内訳としては、お名前を存じ上げている知人が3組、残りは新規の方やお隣のブースの方々でした。

ブースでのやりとりから

新規の方とのやりとりで、印象に残ったものがいくつかありました。

まず、「PnP(Print and Play)はないんですか?」と聞かれました。今回はWebアプリにしてしまったので紙の配布物がなかったのですが、意外と紙(PnP)の需要はあるのかもしれません。

そしてもうひとつ、驚いたことがありました。

「『すべてが1になるおまじない』ありませんか?」と聞かれたのです。
自分で言うのもなんですが、「すべてが1になるおまじない」を知っている人がいるとは……!
驚いて、思わずどこで知ったのか聞いてしまいました。なんでも、Xで「ゲームポエム」というものを見かけ、ゲームマーケット公式で調べたら弊サークルに辿りついた、とのこと。
書いておくもんですね、公式サイトのブログ。
ゲームポエムについてもっと知りたいなら、ゲームポエムアーカイブスさんのサイトを見るといいですよ、と紹介しておきました。

考察:Webアプリは「戦利品」にならなかった

ゲームマーケットには、昔から参加している人の間で、手に入れたゲームをSNSに「戦利品」として投稿する文化があります。
ところが今回のNINE CARD SORTは、その戦利品にはカウントされませんでした。

そりゃそう!だって物体がないのだもの!!

……と、笑い話のようでいて、ここには本質的な気づきがありました。
戦利品に載るかどうか自体はどうでもいいのです。問題は、Webアプリとして公開すると「ゲームマーケット2026春で発表されたゲーム」として、ごく自然には認識されないということ。
自分では「ゲームマーケット2026春」という枠にしっかり入っている認識でいたのに、外から見るとそうではなかった。このズレが面白かったのです。

これは「所有」の概念に繋がっている気がします。
弊サークルにはもともと 「ゲームのルールは所有できない」 という持論があります。
ペライチの紙で配れば、それは物体なので「所有」になる。手元に残り、戦利品にもなる。
でもWebアプリは物体がないので、所有されない。URLは会場の外にも、ずっと前から存在している。
つまり、会場でしか起きない「出来事」がなかったのだと思います。「参加した実感」の正体は、モノの有無というより、当日その場でしか発生しない体験を設計できていなかったことにあったのかもしれません。

今後どうしていくか

Webアプリは安く配布できるし、紙ではできない表現もできるので、これからも続けたいと思っています。
ただ、ゲームマーケットで配布するとなると、もうひと工夫必要だなと感じました。
ちょうど秋のゲームマーケット(2026秋)の応募締切も近いので、次に向けたアイデアをメモしておきます。

  • 事前配布せず、当日初公開にする — 「ここで初めて手に入る」という会場限定の体験をつくる
  • 展示用にアナログ版を1セット置く — 物理的に並んでいると通りすがりの足が止まる。そこからWebアプリへ導線をつくる
  • (3Dプリンターを買ったならば)3Dプリントの小箱で配る — 蓋を開ける=ゲームを起動する、というメタファー。中にQRコードを置くだけ。物体としての「アンカー」を与えつつ、中身はWebアプリのまま

要は、Webアプリのまま「この場でしか起きないこと」をどう作れるか、という宿題です。

おまけ:購入したもの・メモ

今回お客さんとして手に入れたものも記録しておきます。

企業ブース

  • コンテナ デラックス版
  • インクリング

同人

  • 東南アジアの遊戯札
  • コンダクターズ
  • エクファン(デッキ3つ)
  • カタルカルタ
  • 書簡戦争
  • 今朝の私は、
  • ちょろぎ
  • 賢者の采配
  • めくるめく『□□□』
  • みんなでくろうするわーど
  • 論理パズル製造所

チャック横丁

  • マナー制作委員会
  • レッスルボルテージ
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